【あらすじ】
普通の高校生、六道ミコト(りくどう・みこと)のクラスに、時期はずれの編入生がやって来た。彼女の名前は青江碧(あおえ・あお)。極度の人見知りで緊張症の碧に「キュン」ときてしまったミコトだったが、突如ミコトは「鬼」になってしまう──。それを一旦封印してくれたのが、「戦鬼六号」と呼ばれている碧だった!鬼には期限内に決められた人数の人間を殺す義務が与えられる。それができなければ「死」あるのみ。究極の選択に、ミコトはどう応えていくのか?!
【みどころ】
緊張症のあまり、鼻血まで噴いてしまう碧が、戦鬼六号になった時の豹変ぶりが素晴らしい。数字の若いものほど強いと言われる「戦鬼」は、鬼と化した人間を狩ること。突如として鬼になってしまったミコトを何度も助ける碧。その碧の救いに応えるミコト。表には出てこないが、ここにはラブストーリー感が込められているのだろう。
鬼と化したミコトに、殺されるか殺すかを決めさせるのは、碧の兄、青井愛(あおえ・ちか)。彼は警視庁の戦鬼補佐官で、妹の碧を道具のように使う。ミコトは戦鬼になって生き延びるか、鬼のまま人を喰らい、やがて死んでいくのか──?
そこへやって来るのが、霊能力結社「葬鬼衆」と呼ばれる愛のかつての相棒だった。戦鬼は国家公務員、葬鬼衆は民間だが、敵意をむき出しにして戦鬼でも鬼でも狩ろうとするのが葬鬼衆だった。碧に一度は救われた命、ミコトは彼女を救うために鬼になってしまう。そしてやがて戦いは大きな渦の中に巻き込まれていき……。
ミコトの幼馴染の霞和(かすみ・なご)が葬鬼衆の一員だったり、碧の両足がなくなってしまったり、鬼になってしまって人殺しをやむなくされてしまったり、理不尽な状況を乗り越えて成長していくミコトの物語。やがて葬鬼衆との戦いの中、ミコトが選んだ道とは──?目を閉じると、死へのカウントダウンが見える恐怖。それに立ち向かっていく少年と少女の茨の道が描かれる!
【作品データ】
・作者:小林大樹
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況:全2巻