【あらすじ】
2013年から「週刊少年マガジン」にて2年間連載された作品だが、残念ながら打ち切りとなった『せっかち伯爵と時間どろぼう』。しかし!久米田氏は続きを描き続けた!その結果、最終巻の第6巻には9つのエンディングという、異例の掲載となったのだ!
【参考記事】
・久米田康治最新作『せっかち伯爵と時間どろぼう』待望の登場!
【みどころ】
ミチルの死を回避するために、タイムリープを繰り返すサンジェルマン伯爵のたどるエンディングは、とにかく見事にバッドエンド!初代のホムンクルスは、恋愛に破れたために極上のイケメンになり、その上単独で時間異動できる能力まで身に付けてしまった。彼に導かれて、様々なパラレルワールドを行き来する伯爵。しかし、ドッペルゲンガー現象を起こさないためには、最初の自分と出くわさないようにしなければならない。そんな中、サンジェルマン伯爵は、マゴに出会ったり卓に出ったりして、並行世界をひとつひとつ潰していく。バッドエンドを全部クリアしなければ、ラストエンドには辿りつけないという、マゴの言葉を信じたのだ。
そして「ラスボスとの最終決戦手前END」や「実はゲームの中の話でしたEND」を超え、クロック・マダムと再び出会うサンジェルマン伯爵。残念ながら、主人公のはずの時只卓(ときただ・すぐる)は、後半までチョイ役でしか出てこない。主人公なのに?!その代わり、毎回マゴがサンジェルマン伯爵を翻弄する姿が面白い。
そしてようやく秒針である上人類と、分針である人類が揃う。残りは時針の冗人類、卓。暇潰しに本を高くまで積み上げるという作業中に、トキがやって来る!果たして時間は揃うのか?!そしてミチルの運命は?!打ち切りENDをクリアした後、彼らは一体どうなるのか。意外な結末に久米田氏のセンスを感じる。次回作にも期待したい!!
【作品データ】
・作者:久米田康治
・出版社:講談社
・刊行状況:全6巻