ボーイズラブ最前線 vol.2  【BLを好む女性たち】

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「ボーイズラブ最前線」第二回目は【BLを好む女性たち】について見ていきたいと思います。

◆ボーイズラブ(BL)はどのような層に人気なのか◆

「ボーイズラブ(BL)」を好むのは大半が女性です(中にはBL好きな男性もいますが、その話はまた後ほど)。

特に10代から20代の若い女性に人気がありますが、書店のBLコーナーなどを覗いてみると様々な年代の女性がBLの作品を探している様子がうかがえ、10代や20代以外の年代の女性もBLを好んでいることがわかります。

BLコーナーには色々なタイプの、しかし基本的に男性が二人描かれた表紙が並んでいます。中には男性二人が妖艶に絡んでいるイラストの表紙もあるでしょう。

これらをみて、ちょっと面喰ってしまう方もいるかもしれません。

ですが、こういった「ボーイズラブ(BL)」を好む女性は世間には意外にもたくさんいます。
BL好きを明言している女性もいれば、こっそり読んでいる女性も多くいるでしょう。いわゆる「オタク」に見えない女性でも、BLを好んで読んでいる場合が多々あります。

全く特殊なことではなく、ごく普通の女性たちが好むジャンル、それが「ボーイズラブ(BL)」なのです。

◆BLでない作品もBLにしてしまう女性達◆

週刊少年ジャンプなどで連載されている本来はBL要素の全くない作品に対しても、BLファンがつく場合があります。BL好きの女性達は、BL要素のない漫画の登場人物をも”想像”でBLにしてしまうのです。つまりあることないこと、妄想してしまうわけですね。そしてその妄想を漫画や小説にして「同人誌」を作ったりもします。これが”二次創作”といわれるものです。コミックマーケットなどのイベントに多くの女性が参加するのも、そういった二次創作のBL同人誌目当ての女性が多いからです。

二次創作BLの対象になる代表的な作品としては『テニスの王子様』などで、魅力的な男性キャラクターが多く登場する漫画が挙げられます。世界的に人気のある『DRAGON BALL』やガンダムシリーズももちろんBLの対象になります。

最近では全国を走るJRや私鉄、メトロなどを擬人化してBL化してしまう女性たちさえいるほどです。


◆人気BL漫画ピックアップ!

 『純情ロマンチカ』(中村春菊/角川書店)
  シリーズ売上が累計400万部を突破しているBL漫画の人気作。
  BL漫画と言ったらこの作品を真っ先に思い浮かべる人も多い。
  ドラマCD化やアニメ化もされた大人気作品。
  コミックスは現在12巻まで発売されており、7月1日に13巻が発売される。
 
 『兎オトコ虎オトコ』(本間アキラ/心交社)
  現在ショコラコミックスより2巻まで発売されているBL作品。
  タイトル通り兎似の医師と虎のように凶暴なヤクザの物語。 


 

 ◆BL用語ピックアップ!

【やおい】
 男性同士の恋愛を描いた漫画や小説の俗称。ボーイズラブと同義に扱われることもある。「ヤマ(山場)なし」の「や」、「オチなし」の「お」、「意味なし」の「い」を取ってこう呼ばれるようになったとされる。