「まんがでわかる 7つの習慣」シリーズ
定価:各1000円+税
発売元:宝島社
ビジネス書といえば眠くなる本、と思っている方は多いでしょう。しかし今、日本で女性を中心に空前の大ヒットを飛ばしているビジネス書があります。それが、全4巻からなる『まんがでわかる7つの習慣』(宝島社)です。
この本は、世界で3000万部売り上げたスティーブン・R・コヴィーのビジネス書『7つの習慣』を元に、フランクリン・コヴィー・ジャパン監修で作られました。一人の女性がバーテンダーとして成長していく過程をマンガで描きながら、『7つの習慣』の要点がわかりやすくまとめてあります。2015年1月に最終巻が発売され、累計138万部を突破。内容の濃さもさることながら、読み物としても非常におもしろいのが特徴です。
ビジネス書を読んで、「これは“男性向け”に書かれている」と感じたことのある女性は多いのではないでしょうか。男性の書いている本が多いのだから仕方のない傾向とはいえ、中には内容として勉強になるものもあります。しかし、筆者の場合もイマイチ自分の状況と合致せず、結局最後まで読まずに終わる場合も少なくありません。そこにきて『まんがでわかる7つの習慣』は、誰が読んでも理解しやすい内容で、マンガのページはむしろ女性向けの内容といえます。そのマンガを担当しているのが、『もやし男と種少女』や『校舎の裏には天使が埋められている』(いずれも講談社)の少女マンガ家・小山鹿梨子(こやまかりこ)だからというのもあるでしょう。女性にとっては少女マンガのような表紙が手に取りやすく、可愛くなりすぎない丁寧な作画は男性にも受け入れやすいと思います。
岩崎夏海の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(ダイヤモンド社)の時も驚いたものですが、ビジネス書、小説、マンガと枠に囚われる時代は終わったのでしょう。“マンガでビジネス書を書く”一昔前の日本なら不謹慎といわれかねないこの組み合わせも、ビジネス側が「インサイド・アウト」したことで今までより幅広い読者層をつかみました。読者側からしても、初めて手に取るビジネス書で未来を切り開くきっかけを得た人がいるはずです。これこそが本当の意味で「win-winの関係」なのでしょう。
さて、この「インサイド・アウト」と「win-winの関係」。それぞれ『7つの習慣』の中で語られる習慣の1つであり、“影響力の強い人々”――つまり成功する人々が持っている意識といわれています。成功と幸せのバイブルとまで呼ばれた『7つの習慣』ですが、これまでは読みづらいと思って敬遠していた方もいるはず。しかし、よりわかりやすくおもしろく読む手段が現代にはあります。『まんがでわかる7つの習慣』を手に取ってみれば、その瞬間からあなたの人生は変わるかもれませんよ。