痛みのない人間関係を築けるのか?『わたしたちは無痛恋愛がしたい 』

「ストレス」「痛み」と聞くと、皆さんは何をイメージするでしょうか?強いストレスにさらされると、突然胃が痛くなるなどの反応が出ます。しかし、私たちはまったくストレスが無くても逆に生きていけず、結局はある程度のストレスは必要なのです。

ただ、できれば悪いストレスや痛みは、できるだけ少ないほうがいいのは確かで……。そんな女性の本音を描いた作品として、瀧波ユカリ先生の『わたしたちは無痛恋愛がしたい 〜鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜』を紹介します。 続きを読む

イジメに立ち向かう勇気とは?『ライフ~生きていく。ということ~』

生きている中で、あるできごとをきっかけに性格が変わってしまうことがあります。たとえば、幼少期に活発だった子がイジメをきっかけに内向的になる、逆に内向的だった子が転校をきっかけに明るく人を笑わせる子になるなどのケースです。

やられた側から見れば、黒歴史とさえ言ってもいいできごとでしょう。しかし、そこに乗り越えなければならないことがあったとしたらどうしますか?気弱な主人公が、イジメに立ち向かう勇気と強さを持つ過程を描いた作品が、すえのぶけいこ先生の『ライフ~生きていく。ということ~』です。 続きを読む

理不尽に命を奪った元少年の本性を暴く!『ライフ2 ギバーテイカー』

人間の本性は、そう簡単には変わらないものです。簡単に騙されます。逆に言ってしまえば、どんなに醜い本性を持っていても、それを隠したまま生き延びられるということ。実際に自身にとって心の底から嫌いな人が、周囲からはなぜか好かれるという事例は枚挙にいとまがありません。

公認心理師・臨床心理士、精神科医など、多くの人の内面を見た人でも、本性を見極めるのは容易ではないでしょう。今回は、理不尽に妹の命を奪われた女性刑事が、その元少年に凛々しく勇猛果敢に立ち向かっていく物語、すえのぶけいこ先生の『ライフ2 ギバーテイカー』を紹介します。なお、本作と2002年から2009年にかけて連載された『ライフ』と、関連性はありません。

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野球がもっとも輝いていた時代が蘇る『昭和のグラゼニ』

元・南海ホークス(元・福岡ソフトバンクホークス)の名将、鶴岡一人氏の名言「グラウンドにはゼニが落ちている」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。この言葉には「野球で稼ぐためには、まずは試合に出なければはじまらない」という意味が込められています。

昭和中期~平成初期にかけて、野球がもっとも輝いていた時代。この言葉を信じて、野球に打ち込んだひとりの青年を描いた物語が、森高夕次先生原作、川先生作画の『昭和のグラゼニ』です。本作は、大人気シリーズ『グラゼニシリーズ』のスピンオフで、凡田夏之介を担当したスカウトの現役時代を描いています。 続きを読む

戦力外通告を受けた投手がメジャーの夢を追う『グラゼニ~大リーグ編~』

1964年に村上雅則氏、1995年に野茂英雄氏以降、MLBに挑戦した日本人選手は72人。うち、現役の投手は16人います。分業化が進んでいる現在、先発として活躍する投手もいれば、クローザーもしくは中継ぎ・セットアッパーとしてプレーする投手などさまざまです。

ただ、中継ぎ投手は1イニングなど短いイニングを年間60試合近く投げるにも関わらず、なかなかスポットライトが当たりません。その中で、中継ぎ投手を主人公にした本格的野球マンガが森高夕次先生原作、足立金太郎先生作画の『グラゼニ~大リーグ編~』です。『グラゼニシリーズ』は、スピンオフも含めると計6シリーズ、足掛け15年にわたって連載されています。 続きを読む

密告からはじまる疑心暗鬼の嵐!SNSホラー劇『密告交換アプリ』

私たちが社会の中で安全かつ快適に暮らすために必要なものが法律やルール。もしも、この世に法律がなかったら、この世の中は、無法地帯と化しているかもしれません。実際、そういう世界があるとすれば、疑心暗鬼になるでしょう。

しかし、程度の軽重は別として、すべて完璧に守っている人はいません。おそらく、少なからず人には言えない秘密を抱えて暮らしているはずです。そんな、知らなくても良い情報を知ったところからはじまるドロドロ劇を描く、オカヤマ先生原作、優木わかな先生作画のSNSホラー『密告交換アプリ』を紹介します。 続きを読む

マネージャーから見た高校硬式野球部の日常をコミカルに描く『マネマネにちにち』

最近はサッカーに押され気味なところもあるものの、野球は日本人が好きなスポーツで連想される種目のひとつです。野球は実際にプレーする選手、技術指導をする監督・コーチの他、練習や試合のサポートをするマネージャーがいます。

実際、マネージャーの立場からは野球部がどのように見えるのか、気になる人は多いのではないでしょうか。これをテーマにした作品が、山本崇一朗先生の『マネマネにちにち』です。本作は、2013年より約10年連載した『からかい上手の高木さん』以来のゲッサンでの連載となります。

https://x.com/udon0531/status/1910229561230729300

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元ナンバーワン営業が実業団チームを立て直す!『シンデレラアスリーツ』

スポーツの世界は、身体能力が物をいう世界。スポーツ少年団から中学校、高校、大学、実業団、(プロ)とステージが上がるにつれて、そこに進める人数も少なくなるピラミッド構造になっています。

しかし、実業団は運営母体の状況次第で、簡単に切られやすい側面があります。また、男子に比べて女子は、移籍も含めて存亡が激しくなりやすい傾向です。今回は、存亡の危機にある女子実業団チームを舞台にしたチーム再建の物語、如意自在先生の『シンデレラアスリーツ』を紹介します。 続きを読む

ひきこもりが100万人を超えた今「働く」意味を問う『人のために働く』

内閣府が行った「令和5年人々のつながりに関する基礎調査」によると、15~64歳の生産年齢人口において、50人に1人に相当する146万人が外出をほとんどしない状態が長期間続く「ひきこもり」状態にあると言われています。

原因はコロナや人間関係の悩み、不登校、出社拒否などありますが、いずれにせよ深刻な問題です。今回は、人生の岐路に立った青年が、世間と向き合いはじめるさまを描いた『人のために働く』を紹介します。本作は第88回小学館新人コミック大賞青年部門において、大賞を受賞した岩崎真先生のデビュー作です。 続きを読む

ステッキガールになって100年前の東京・銀座を追体験『東京ステッキガール』

「ステッキガール」と聞いて、戦後から平成・令和に生きている私たちには聞いてもわからないでしょう。簡単にいうと、料金をもらって男性の話し相手になる、もしくは恋人や夫人の気分で散歩に付き合う女性のことです(出典:コトバンク)。現代風にいうと、レンタル彼氏の女性版がイメージできますね。

名付け親は、当時の文化人である新井格氏、大宅壮一氏という説があり、実在したかどうかについても諸説あるようです。そんな職業婦人を描いた物語として、伊田チヨ子先生の『東京ステッキガール』を紹介します。 続きを読む